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みん経トピックス

特集

エリア特集2010-01-25

個性的なカフェ、雑貨、家具、スイーツ店が続々誕生
鎌倉の地元商店街「御成通り」を歩く

 鎌倉駅周辺。小町通りが観光客で溢れる一方、駅の反対側である西口の「御成通り」には、地元の人が愛用する商店街ならではのゆったりとした時間が流れている。そこに近年、個性的なカフェ、雑貨、家具、スイーツ店などが次々と誕生。2009年は湘南経済新聞でも関連記事が急増した。昔から続く商店が軒を連ねるなか、新たな活気が感じられる御成通りの魅力を探った。

60年の古民家に溢れる個性「ウラダナ」

 鎌倉・御成通り裏にある、築60年になる黒いトタン板で覆われた古民家に、様々な年代の人々が物珍しげに入っていく。黒い壁面に目立つ白い看板には「ウラダナ」。その名の通り、商店街の裏側にある店「裏店(うらだな)」で、店内には自然な風合いの洋服やバッグ、靴が並んでいる。

 地元人が行き交い、観光客の穴場スポットとして賑わいを見せる御成通りの商店街。そこに5年ほど前からあるアパレルショップ「doro.(ドロ)のオーナー・平山恵理さんが、「店舗として使える状態の古民家」を探していたところ、表通りの手芸店「しんどう」の在庫置き場だったこの物件を見つけ、外観の珍しさにも惚れ込んで借り受けた。畳敷きだった床を板張りにして玄関上部を吹き抜けにし、明かりを取り入れただけ。その古い建物の佇まいが、ウラダナの新しい商品たちにより一層個性を与えているようだ。

 20099月、気さくな笑顔を見せる平山さんを起点に、5人の仲間が集まって「ウラダナ」を開店した。洋服は平山さん、バッグはdoro2年ほど働いていた森田風子さん、靴はdoro.の顧客であり、浅草で靴作りの講師もしている渡辺浩志さんがデザインする。そこに、帽子デザイナーの渡辺幸さんと、ホームページ制作を担当する現役東大生の石井俊行さんが加わった。

 店内では、灰汁のような癖のある人が好みそうな洋服&鞄「灰汁(aku)」、靴「nabe」の2つのオリジナル・ブランドを扱う。平山さんが作る洋服は、袖にタックを入れたり、フォルムに遊びを取り入れて「見てかわいいというより、着たときにどう見えるか」を大切にして作られる。バッグは「独創的な形をしながら、洋服と一体化できるもの」、靴は男性デザイナーが作る「勢いのある繊細すぎないデザイン」を心掛けた。「それぞれが面白いと思うものを作っているだけ」と笑いあう平山さんたちの作品は、どれもシンプルで着やすく、しっくりと寄り添い合って「ウラダナらしさ」を形作る。これからシーズンごとに増えていく新しいデザインや、小物たちに出会うのが楽しみである。

旅するアーティストが魔神を描くライブイベント-鎌倉のギャラリーで(湘南経済新聞)

鎌倉・御成通り裏にオリジナルブランドのアパレル雑貨店「ウラダナ」(湘南経済新聞)

ウラダナ
鎌倉市御成町10-7
TEL 0467-33-4850
営業時間:11分~19時(月曜定休)
HP:http://www.uradana.com/index.html

鎌倉にラテンの香り漂うバル風カフェバー「鎌倉美学」

 御成通りの中心を右に曲がったところに2009年7月、ラテンの町並みを思わせるカフェバー「鎌倉美学」がオープンした。扉を開けるとラテン諸国の料理特有のスパイスの香りが漂い、バルセロナをイメージした赤い壁のカウンター、蓮を描いたアーティスティックな壁画のテーブル席が心地よく並んでいる。 

  オーナーのアルバレス湊万智子さんは、鎌倉ケーブルコミュニケーションズ勤務時代に地元のイベント企画を手掛けてきた経験とネットワークを生かして、「スペインの熱気あふれる人々や町の雰囲気をイメージしたコミュニケーションの場を作りたい」という思いから開業した。「御成通りは観光客で溢れる小町通りとは違って、地元の人が集う商店街。駅から近く利便性もあり、酒屋『高崎屋』など昔からある店も混在し、親しみやすく、コミュニケーションカフェを立ち上げるにもぴったりの場所だった」という。                      

 同店で味わえるのは、雑穀や自然素材を使った体に優しい料理。ランチにはスペインや南米のペッパーを使ったチキングリルやカレー(700円~)、バータイムには切りたての新鮮な生ハム(500円)などのタパスがカウンターに並ぶ。どれも低価格で優しい味で「友達の家を訪れる感覚で来店してほしい」という彼女の思いを反映している。

御成通りにバル風カフェバー「鎌倉美学」-地元ネットワーク生かし開業(湘南経済新聞)

鎌倉美学
鎌倉市御成町8-41
TEL 0467-22-2233
営業時間:11時30分~21時
HP: http://www.uradana.com/index.html

女性の名前がついた自家製スコーンショップ                     「DIAMOND CAKES」

 カフェバー「鎌倉美学」と隣接した場所に、愛らしいピンクの扉を持つ小さなお店がある。2009年5月にオープンした自家製スコーンショップ「DIAMOND CAKES(ダイアモンド ケークス)」だ。「裏通りの商店街の路地を曲がったところに、素敵な店を発見する喜びを」と同通りの路地に店を構えた。
 同店は、アパレル関係の仕事に携わりながら、シフォンケーキのネット販売を手掛けていた大場美江さんが、「店舗で購買客の反応を見ながら販売したい」と開業。ソフィア・コッポラの映画「マリーアントワネット」などにインスパイアされただけあり、スコーンと一緒にアクセサリーなども飾られ、女性の心が躍るような店内になっている。
 自家製スコーンは、女性が憧れる著名な女性の名前が付けられている。それぞれイメージに合った風味と形をしており、目で楽しみながら味わいも豊か。バラの花びらのジャム、イチゴとクランベリーをふんだんに取り入れた一番人気の「マリーアントワネット」(525円)、パルミジャーノレジャーノを使ったスパイシーなスティック「ツィギー」(598円)なども。自分やプレゼント相手にぴったりのスコーンを選ぶことができる。

鎌倉駅西口にスコーンと雑貨の店-すべての商品名に女性の名前(湘南経済新聞

鎌倉のスコーンと雑貨の店1周年でバラをテーマにした限定スコーン(湘南経済新聞)

DIAMOND CAKES
鎌倉市御成町8-41
TEL 0467-73-7688
営業時間:11時30分~18時(水曜定休)
HP:http://diamondcakes.jp/

猫の看板の路地には、天然酵母のパン屋「KIBIYAベーカリー」

 御成通りをまっすぐ進んでいくと、左側の電信柱に猫が描かれた小さな看板が現れる。猫に導かれるように路地を曲がれば、ひっそりとした店構えで「KIBIYAベーカリー」本店がある。口コミで人気を呼び、地元人はもとより観光客もこの店を目当てに御成通りへやってくる。今では鎌倉の天然酵母を使ったパン屋の代表格である。

 創業は1948年、「タカラヤ」という名前で従来より御成通りで営業していた老舗パン屋だが、10数年前から「KIBIYA」という名称になった。

 どれも添加物を一切使わず、国産小麦、石臼挽き全粒粉、ライ麦粉および天塩、水のみを使った自家製天然酵母パンで、ずっしりと重く、噛めば噛むほど味が出てくる。鎌倉の人気レストランなどでも、料理の邪魔をしない素朴な味わいが楽しめる。人気商品は、クルミと全粒粉を使った香ばしい「クルミパン」(280円)、創業以来のベストセラーである、もちもちした「黒みつパン」(100円から)など。

 2階には天然酵母パンとフランス家庭料理をテーマにしたビストロ「テロワール」、若宮大路沿いにはKIBIYAベーカリーの売店「come va(コメバ)」も構え、地元の食卓を彩りつつ、観光客のお土産としても人気を呼んでいる。

【KIBIYAベーカリー】
鎌倉市御成町5-34
TEL 0467-22-1862
営業時間:10時~19時(水曜定休)

天然ムクの木材を使った注文家具店「ロビイKAMAKURA

 「KIBIYA」の路地を出て表通りに戻ると、天然ムクの木材を使った注文家具店「ロビイKAMAKURA」がある。同店は、注文家具の製作や修復を手掛ける茅ヶ崎の「イヌイットファニチュア」(茅ヶ崎市共恵1)のショールームとして20093月にオープンした。KIBIYAから紹介されて訪れるという、商店街ならではの繋がりでやってくる観光客も多い。オーナーの犬塚さんは、「鎌倉はいろんな人がいて面白い町。地に足が着いた御成商店街は、観光客が入ってきては出て行ってしまうということもなく、『こんなところにお店を見つけた』という楽しみもある。昔からいる商店の人たちも優しく親しみやすいところがいい」とこの地を選んだ。
 同店の家具は、ムクの木材に金属やガラス、革などの異素材をあしらっているのが特徴。「ムクの木材は耐久性に優れた北米のものを取り寄せている」という。30代から40代の女性を中心に店舗に訪れてショールームを見ながら、自分の家に合った家具をオーダーするのが主流。店舗や個人宅のすべての家具を一軒丸ごとデザインもする。

店舗で人気なのは、鎌倉の靴工房「手のひらワークス」(同西御門1)が靴に使う革を釘打ちで座面に貼り付けた「スツール」(16,000円)。飾ってもよし、座ってもよし、来客用にしてもよし。すべてにさりげないセンスが生きた家具を見ることができる。

注文家具「イヌイットファニチュア」、鎌倉に2号店-茅ヶ崎店業態変更も(湘南経済新聞)

ロビィKAMAKURA
鎌倉市御成町5-33
TEL 0467-50-0182
営業時間:11時~18時(火・水曜定休)
HP:www.inuit.jp/index.html

女性の美と癒やしのコミュニケーションサロン「HAMMAM

 ロビイKAMAKURAから少し歩くと、右手にモロッコを連想させる白い壁に覆われた店が現れる。デトックスストーンスパ(岩盤浴)やヨガを手掛ける女性の癒やし処「HAMMAM(ハマム)」である。

 「ハマム」とは、男性の目に触れることを避けて外出が制限されていたイスラム女性にとっての癒やしの場であり、社交場であった公衆浴場のこと。同店も同じように、岩盤浴に入って体を浄化させ、ヨガやベリーダンスで身体を整えた後、お茶を飲みながら気軽に交流を図れる「現代のハマム」として人気を呼んでいる。「表通りの喧騒を避けて、リラックスしてもらうために御成通りを選んだ」だけあって、静かで心地よい空間だ。「20代から魅力的な60代の女性まで、幅広い年齢層が来店する。週末のスタジオレッスンには、都内からやってきてハマムで汗をかき、観光して帰るといったリフレッシュデーとして利用する方もいる」という。

 岩盤浴は、浴室内に提げられたフレッシュユーカリがほのかに香り、殺菌力を高めながら心地よい呼吸のもとリラックスできる。隣接したスタジオでは、地元中心の講師による「ヨガ」や「ベリーダンス」などのレッスンを開催している。岩盤浴は80分=2,000円。スタジオレッスンは1回=3,000円から。

鎌倉の女性向け癒やしサロンで「ベビーヨガ」-幼児とのきずな深める(湘南経済新聞)

HAMMAM
鎌倉市御成町7-13
TEL 0467-24-8660
営業時間:10時~21時(日曜は19時まで)
HP:http://kahve.jp/hammam/index.html

編集後記

 「地元ならではの人の繋がりがあり、裏通りを何気なく歩きながらお店を発見する喜びがある商店街」-店舗オーナーたちは口を揃えるように御成通りの魅力を語る。紹介した6店のうち、KIBIYAベーカリー以外は2008年から2009年に開業した新しい店舗だ。表通りとは違って、小さな一軒家で個性的な店を構えることができるのも惹かれる理由のひとつだろう。普段は地元の人が立ち話をしたり、カフェで寛いだり、買い物する風景が見られるが、その中で店と購買客との繋がりが自然と成り立っていく。そんな「日常的であり個性的な顔」を持った御成通りには、ゆったりした中にもみずみずしい活気がある。今後も少しずつ変貌を遂げていくに違いない。

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