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葉山で「エル・アナツイ展」-廃材利用したメタル・タペストリー話題に

エル・アナツイ《重力と恩寵》 2010年 ボトルキャップ(アルミニウム)、銅線 ※国立民族学博物館(大阪)での展示

エル・アナツイ《重力と恩寵》 2010年 ボトルキャップ(アルミニウム)、銅線 ※国立民族学博物館(大阪)での展示

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 神奈川県立近代美術館 葉山(葉山町一色、TEL 046-875-2800)で現在、現代アフリカ美術を代表する彫刻家エル・アナツイさんの日本初となる個展「彫刻家エル・アナツイのアフリカ」が開催されている。

エル・アナツイさんの木彫作品

 1944年西アフリカのガーナ(当時イギリス領ゴールドコースト)に生まれ、現在ナイジェリアで作品制作するアナツイさんは、さまざまな廃材による巨大な織物状のインスタレーションを展開し高評価を得ている現代アフリカ美術の彫刻家。1990年のベネチア・ビエンナーレ(国際美術博覧会)にアフリカの作家として初参加。2007年の同博覧会では、廃材を再利用した巨大なタペストリーを思わせる作品で「圧倒的な存在感」を示したという。

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 欧米の作家が中心であった現代美術において、アフリカ美術、中でも仮面など民族芸術としてのアフリカ美術ではない、「アフリカ現代美術そのものが日本で紹介される機会は極めて少ない現状において、今回の展覧会はとても大きな意味を持つ」と話すのは同館広報の土居由美さん。アナツイさんの大規模な個展は日本のみならず世界的にも初めてで、アフリカの現存作家の展覧会開催は同館初となる。

 旧作の木彫りに加え、新作6点を含む近作の大型インスタレーション作品で構成する同展。2000年以降に制作された、アルコール飲料のボトルキャップなどの廃材を銅線で一つひとつつないで巨大な織物状にした「メタル・タペストリー」と呼ばれる一連の作品が見どころ。「廃材から作られたとは思えないほど繊細で、まばゆい光を放ち、見る人を圧倒する存在感がある。作品に近づいて見た来場者から驚きの声があがっている」という。

 期間中、展覧会関連プログラムとして担当学芸員による「ギャラリートーク」(3月12日)、映画上映「エル・アナツイのアート:叩く・ぶつける・折り曲げる」(3月19日)なども予定。映画の予告編(英語版)は同美術館ホームページで見ることもできる。

 土居さんは「美術館の広い空間に合わせた変幻自在の展示となっている。音や光など、空間を満たす全ての要素を作品と一体化し、美術館のある葉山の海と山の風景を一部取り入れた展示もある。これらの展示からアフリカ現代美術の息吹を感じてほしい」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。一般観覧料は1,100円。月曜休館(3月21日は開館、翌22日休館)。3月27日まで。

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