辻堂の住宅街に11月20日、ボロシリケイトガラスのバーナーワークによるオリジナルガラスアクセサリーを手掛ける工房&ショップ「ORANGE CHAMPAGNE(オレンジシャンパーニュ)」(藤沢市辻堂太平台1)がオープンした。
工房を開いたのは、藤沢在住6年のガラスアーティスト徳永妙子さん。もともとは金属造形を学んでいたが、1995年にガラス細工に触れ「ガラスの色の組み合わせの美しさ」を知る。在学中の1998年、「お遊びのつもり」で製作したマドラーが当時裏原宿にあったツリーハウスカフェ「Cafe au Go Go」にまとめて買い取られ、「自分で作ったものが売れる」ことを体験。結婚・出産を経て、独学で習得したとんぼ玉の体験教室を開き、新たな技術の習得に励んできた。
現在、徳永さんがメーンで扱うボロシリケイトガラスは、ガラスの主成分である二酸化ケイ素にホウ酸を混合しアメリカで開発されたもので、耐熱ガラスとも呼ばれる。とんぼ玉などに比べて日本での歴史は浅いが、従来の工芸用ガラスより堅く、「酸素や炎の量の違いで、同じ色ガラスでも仕上がりが異なる。造形が自由で扱いやすい」特徴があるという。
自宅2階のベランダを改装した工房&ショップは、知人の建築家と2年前から相談してきた構想を具現化したもの。約6畳の細長いスペースに作業台や耐熱性などの安全面を確保し、出窓チェアやビルトインのショーケースなど「狭く感じさせない」工夫を施した。工房名は夫の出身地・愛媛県のミカン、徳永さんが製作した「オレンジのシャンパン」のような気泡入りの作品が由来。ボロシリケイトガラスの世界では、徳永さんのように細かい気泡を入れた作品を手掛ける作家は珍しいという。
価格はデザインやガラス素材により異なるが、1,000円台~1万5,000円程度。オリジナルデザインやネーム、年号などを入れるオーダーメードにも対応し、アクセサリーやストラップを作成する体験教室も開く(小学1年生以上、3,500円)。作品は、市内イタリアンレストラン「FU」(辻堂東海岸1)で展示販売を開始したほか、来年1月中旬からサーフショップ「And Grails(アンドグレイルス)」(湘南台5)でも取り扱いを予定する。
徳永さんは「ガラスというと冷たく堅いイメージがあるが、夢中になって作業をしているとガラスがまるで水のように見える。機械が作ったような職人的な精緻な技巧を追求しながら、自分らしい作品をこれからも作り続けたい」と話す。
営業時間は、月曜~水曜と金曜の10時~17時。木曜・土曜・日曜・祝日定休。