茅ヶ崎の雄三通り沿いに4月、沖縄純黒糖を使ったスイーツ、ランチ、ドリンクを提供する和カフェ「黒糖茶房」がオープンし1カ月が過ぎた。
約20年間、メーカーや販売などスポーツ業界に身を置いてきた大森健司さんが「沖縄純黒糖を広めたい」と妻の美尋(みのり)さんと開いた同店。黒糖に興味を持ったのは、沖縄が好きで何度か訪ねるうちに出合った伝統菓子タンナファクルーがきっかけ。黒糖・小麦粉・卵だけで作られたその素朴な味わいに「やみつき」になり、自ら再現を重ねるうちに黒糖の中でも希少価値の高い沖縄純黒糖にたどり着いた。
沖縄純黒糖と呼ばれるのは、伊平屋島・伊江島・粟国島・多良間島・小浜島・西表島・波照間島・与那国島の8島で、最も糖度が高くなる年末年始の時期に刈り取ったサトウキビを煮詰めて製糖したもの。島ごとに味・香り・食感・風味が異なるだけでなく、農作物のため毎年違った味わいが楽しめるのが特徴という。
店舗面積は約20坪、席数は23席。「大人が落ち着いて過ごせる空間」をイメージした店舗空間は、古材を専門に手掛けるデザイン会社に依頼。板張りの床に落とし気味の照明、太い梁(はり)や柱を配し、テーブルや椅子も比較的ゆったりした形状とした。
ランチタイムには、ダシなどに純黒糖を使った健康志向のメニューを提供。ソーキソバ風に仕上げたうどんにラフテー、あおさ、クーブイリチー(昆布の炒め煮)、18穀米のご飯が並ぶ「うどんランチ」(950円)、ツナやラフテーなどの「おかずを巻いて食べるパンケーキランチ」(1,050円)を用意する。いずれもサラダとドリンクが付く。
主なカフェメニューは純黒糖の「沖縄8島食べ比べ」(350円)、「タンナファクルー」(400円)、黒糖あんこ、黒ごま黒糖ジャムなどをトッピングして食べる「もちもちパンケーキ」(700円)など。使用する小豆餡(あん)、黒蜜、金時豆やケーキ類、プリンなども全て自家製にこだわる。ふた付きの土鍋で提供する珍しい「鍋ぱふぇ」(750円)も人気があるという。
日本茶アドバイザーの資格も持つ大森さんが黒糖との相性を吟味してそろえるドリンクは「オリジナル炭火焙煎ブレンド」(480円)、「村上煎茶」「黒糖焼酎 里の曙」(以上550円)など。コーヒー・お茶類には純黒糖が、アルコール類には純黒糖菓子のつまみが、それぞれ付く。物販スペースでは純黒糖の量り売り(100グラム250円)や「そらまめ黒糖」(400円)、「黒糖ジャム」(550円)など珍しい黒糖関連商品も販売する。
「落ち着いた年代の女性をターゲットに開店したが、若い世代の方にもしゃれた空間と喜ばれている」と大森さん。「ドリンクの種類が多いので、スイーツや甘味に合わせていろいろ試して黒糖との相性を見つけて楽しんでほしい」とも。
営業時間は11時30分~19時。水曜定休。