北鎌倉駅近くにオープンした多目的スペース「ツドイ(todoit)」(鎌倉市山ノ内)で7月29日、植物の葉を使った工作と花生けを行うワークショップ「暮らしで遊ぶ花あしらい」が開催される。
同ワークショップは、鎌倉円覚寺佛日庵住職の高畠宗一さん、浄智寺住職の朝比奈惠温さん、鎌倉の僧侶有志と市民の連携から生まれた「そわかプロジェクト」メンバーが6月に設立した株式会社「明後日」が企画運営を手掛ける。東日本大震災の哀悼と鎮魂を目的に昨夏開いた「鎌倉大線香花火大会」を機に発足した同プロジェクトでは、宗派を超えた寺院による「写経大作戦」など、従来の領域や立場にとらわれない「鎌倉だからできる活動」に自発的に取り組んでいる。
「都心から近く自然に恵まれた鎌倉には、有形無形の資産がたくさんある。『町と町を訪れる人の役に立ちたい』との思いを同じくする住職と共に、古くて新しい価値を時代に合った形で発信し、明日よりさらに先の鎌倉について考えていきたい」と同社の羽村聡さん。
会場は、円覚寺塔頭(たっちゅう)で北条時宗墓所として知られる佛日庵の別院を活用。住職を務める高畠さんの「本来そうであったように、寺を文化の発信や人々の交流の場に戻したい。北鎌倉から町を活気づけたい」との強い思いと厚意から同スペースの拠点に決まった。「todoit」の表記は、「集まった人たちが共に何かを体験し、生み出す循環を作る」という意味を込めたもの。美術館として建造された建物は白壁と天然木を多用した蔵造りで、2階サロンをメーンに、ホール、和室、洋室を備え、多目的スペースとして企業や一般に貸し出すほか、同社が企画したイベントを開く。
当日は、東京・渋谷で花教室「Botanicalism(ボタニカリズム)」を主宰する松永有加さんを講師に、緑豊かな円覚寺敷地内を散策した後、さまざまな種類の葉を使い敷物を作り、ガラスの花器に好みの花を生けて敷物の上に飾って楽しむ。作品・器・留め具・花は全て持ち帰れる。北鎌倉の名店の弁当と菓子も付く。
羽村さんは「日々なかなか触れる機会の少ない、自然の恵みを存分に体感できるワークショップ。彩り鮮やかな自然と触れ合いながら、地元の名店のお弁当とお菓子を楽しみ、身も心も楽しく心休まるひと時を過ごしてほしい」と話す。
開催時間は11時30分~14時。参加費は5,300円(材料費・円覚寺入山料込み)。定員16人。ホームページの専用フォームで申し込みを受け付けている。