創業1931(昭和6)年の歴史を持つ井上蒲鉾店(鎌倉市由比ガ浜1)のかまぼこ総菜の開発事業が2月、関東農政局、関東経済産業局から「地域産業資源活用事業計画」に認定された。
同事業は、海藻・アカモクやシラス加工品に、地場で捕れた未利用の魚などを利用した「従来のかまぼこ製品にとらわれない新しい感覚」のすり身を使ったかまぼこ総菜を開発するもの。
「鎌倉のかまぼこ屋として地場の魚を使った製品をとの思いがあった中で、地元の漁協から、加工用に使える地場の資源を教えてもらい、それを利用してかまぼこ総菜を作ってみようと考えた」と同社社長の牧田知江子さん。
かまぼこではなく、「かまぼこ総菜」にこだわった大きな理由は、「若年層において、魚離れ、ひいてはかまぼこ離れが進んでおり、新しいタイプのかまぼこ総菜を作ることで、エントランス商品としての役割が果たせるのではと考えたから」とも。
「従来の梅花はんぺん、小判揚に象徴される当社の姿勢は時代の変遷の中でも変わらず引き継いでいくべきであり、変わってはいけないものを変えないために、常に新しいチャレンジをしていかなければならない」と力説する。
同事業は5年間の計画で、2013年度中に試作品を完成する予定。