「第1回藤沢国際映画祭2015」が11月1日、藤沢駅前を中心とした11カ所の会場で始まる。
レストラン「ポルトヴィーノ」では、上映する「イタリアは呼んでいる」に登場する料理を再現したメニューを提供する
かつて藤沢駅前で長い歴史を誇った映画館(3館5スクリーン)が2010年までに全て閉館した。その後、同市内の隣駅である辻堂にシネコンができたものの惜しむ声は後を絶たず、藤沢駅周辺で自主上映を行う団体も複数誕生。その関係者や市民がつながり、今年8月、実行委員会を立ち上げた。
まずメンバーが上映会場としての参加を呼び掛けたところ、趣旨に賛同するレストランやカフェなども多く、企画が急ピッチで具体化していったという。ホールやライブハウス、コワーキングスペースなども含め11会場で12本の映画を、延べ25回上映することになった。
各会場ではゲストのトークをはじめイベントも行う。アニメ「イヴの時間 劇場版」を上映する新堀ライブ館ライブハウスではアニソンライブを行うほか、「イタリアは呼んでいる」を上映するレストラン「Portvino(ポルトヴィーノ)」では映画に登場するフードを提供するなど、各会場の個性を生かしたイベントも用意する。
フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、カナダ、スウェーデンなど各国の作品を上映する中、注目されているのが日本の「みちていく」。10代の多感な少女たちが重厚な人間ドラマを展開する作品で、藤沢市在住の現役大学院生・竹内里紗監督の話題作。上映当日はゲストとしても登場する。
実行委員会の竹中翔子さんは「映画館が幕を下ろし寂しい思いをしている市民はたくさんいるはず。映画館が無くなってしまった街でも、映画に対するエネルギーがあふれていることを感じてほしい」と話し、「やるなら海外からも来場していただけるような映画祭をと考えた。来年からはコンペティション部門なども設け、本格的な国際映画祭にしていく。藤沢から映画文化を発信しながら、新時代の才能を発掘したい」と意気込む。
共通鑑賞券は1枚1,500円。入手や予約方法はホームページで確認できる。11月8日まで。