鎌倉駅西口の御成(おなり)通りの銀行跡地をリノベーションしたビル1階に1月28日、チョコレートを中心にした飲食店「CHOCOLATE BANK(チョコレートバンク)」(鎌倉市御成町11)がオープンした。
かつて金庫室は客席とギャラリーとして活用。分厚い鉄の扉がそのまま残されている
同店は、鎌倉小町通りのアロマ生チョコレート専門店「ca ca o」やスイーツ専門店など飲食店を展開するジャーニーカンパニー(茅ヶ崎市中海岸4)が新たなブランドとして出店した。「業界では後発だが日本人の日常に上質なチョコレートを提案できた」と同店マネジャーの石原祥行さん。「後発だからこそ固定観念にとらわれず変えていくことができる。新たな時代を築いた『武士の鎌倉』という地でチャレンジしたかった」と続ける。
場所は鎌倉駅西口で2年前まで東日本銀行鎌倉支店だったビルの1階。チョコレートの原料であるカカオ豆はかつて貨幣として使われていた歴史もあり、「チョコレートで昔と未来をつなぐ存在でありたいと考えていたところ、ぴったりの物件と出合った」という。
店舗面積は約210平方メートル、席数は25席。「銀行という堅い印象に遊び心を」と客席中央に置いた巨大なゴリラのオブジェは、本物のチョコレートが入った素材でできているという。奥には銀行時代の重厚な扉の金庫室が残っており、客席やギャラリーとして活用。世界各地のカカオ豆、チョコレートにまつわる書籍、写真などを展示した。
店内では「ca ca o」ブランドのチョコレートをはじめ、鎌倉野菜を使ったオープンサンドや生地の間に生チョコレートをベースにしたクリームを挟んだクロワッサンなどのフードメニュー、スープやチョコレートドリンクなども用意。カカオニブやカカオバター、カカオグラノーラなどのほか、カカオ豆を使った自然派コスメブランド「CACAO365」のソープ、スクラブ、バームなども販売する。
3月以降は18時に閉店した後、再び「CACAO BAR」として深夜まで営業する。通りに面したシャッターは閉めたままで、脇の路地の入り口にサインボードを置き誘導。銀行時代に夜間金庫のあった裏口を開けて入る仕組み。「知る人ぞ知る特別な空間として地元の人に楽しんでいただけるバー」で、チョコレートに合うアルコールなども用意する。
石原さんは「ここを知って体験したことがきっかけで生活が豊かになるような、今までになかった選択肢の一つになればうれしい。チョコレートの可能性を広げながら世界に発信し、世界から人々が集まる場所にしたい」と豊富を話す。
営業時間は10時~18時。月曜定休。3月以降の夜間営業は木曜~日曜の20時~翌2時(予定)。