逗子の久木中学校(逗子市7)で3月6日、給食に地元の小坪近海で捕れた海藻アカモクを使った料理が登場した。
アカモクを使った商品は食品だけでなくリップクリームも。歴史こそ浅いが、すでに商品アイテム数は全国有数ではないかという
アカモクはワカメやモズクなどと同じ海藻類で、東北地方では古くから食用とされているが、逗子周辺では長く細い茎が船のスクリューに絡まることなどから「じゃまもく(じゃまとアカモクの造語)」と厄介者扱いされ廃棄されていた。近年の研究で、内臓脂肪を減らす成分フコキサンチンがワカメの倍近く含まれていることが分かりスーパーフードとしても注目されており、逗子でも活用することになったという。
逗子市は旬を迎えた3月を、アカモクの特徴であるネバネバとシャキシャキした食感から「ネバシャキ月間」と命名し、スタンプラリーや収穫体験、料理教室など関連イベントを開いている。
地産地消に取り組んでいる市内3つの公立中学校の給食にも「ハンバーグ」「酢の物」「味噌(みそ)汁」などアカモクをメニューに取り入れた。シメジやエノキダケ、コーンと一緒にアカモクを入れたソースのハンバーグを食べた同校2年D組の生徒は、「ネバネバ感がちゃんと分かる、好きかも」「初めて食べた。味はよく分からないが、特別嫌じゃない」などと抵抗なく食べていた。
献立を考えた学校教育課の細野清美さんは「中学生には好き嫌いではなく、地元で捕れる食材の素晴らしさを理解し食感や風味を味わってほしい」と話す。
同市は2012年からアカモクを地元の特産品にしようと小坪漁業協同組合や同市商工会、商工業者と取り組んできた。2014年には商工会が「逗子発商品開発プロジェクト」を立ち上げている。
今年1月には公募でPRキャラクター「妖怪アカモクン」が決定。現在開催中のスタンプラリーには26店舗が参加し、アカモクを取り入れた豆乳スープや肉まん、お好み焼き、スパゲッティ、玄米雑炊、つけ麺など趣向を凝らしたメニューや商品を提供している。
スタンプラリー実行委員長の神戸悠太さんは「市民全員に食べてもらい、逗子のソウルフードにしたい」と抱負を語った。
同漁協では禁漁区も設け、計画的に収穫し継続的な特産品化を目指すという。