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湘南アクポニ農場が藤沢市に開設 次世代農業の発信拠点担う

アクポニ代表の濱田さんと、アクアポニックスで育ったハーブ

アクポニ代表の濱田さんと、アクアポニックスで育ったハーブ

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 水耕栽培と養殖を掛け合わせた、次世代の循環型農業アクアポニックスの試験場「湘南アクポニ農場」が2月、藤沢市打戻に開設された。

新しく届いたチョウザメの生体

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 同農場は横浜市内の企業アクポニが運営する、アクアポニックス栽培の実証試験を行うための施設。
 アクアポニックスとは水耕栽培と魚の水産養殖を融合させたエコシステム。有機的な循環のなかで作物を育て、環境配慮と生産性を両立できることが特徴。1970年代からアメリカの大学を中心に研究が行われ、水、肥料、エネルギー資源の有効活用と食糧危機を救う技術として、世界的に注目されている。

 アクポニ代表の濱田健吾さんは、「日本での認知度はまだまだ低いが、少しずつ国内にも施設が増えている。今回の『湘南アクポニ農場』では、自分自身が本場アメリカの農場や大学で学んだことを実証し、日本にローカライズさせた同農法を確立することで、対企業向けに導入コンサルテーションやITを用いた生産管理サービスを提供していきたい」と話す。

 同農場ではレタスやハーブなどの試験栽培のため、淡水魚のコイや金魚、チョウザメ、ティラピア、オニテナガエビなどが飼育される。魚が生きられるようにするため、農薬、化学肥料、除草剤は一切使わず安全なのも特徴。「アメリカのスーパーでは「アクアポニックス産」と表示された有機野菜が並び、価格は高いが、安全性・品質・環境に良いという点に価値が付いている。日本でも消費の思想に多様性が生まれてきており、消費者の選択肢を増やせるよう普及に努めたい」と話す。
 ビジネスを目的にした企業のほかに、教育現場・介護施設などから食育や生きがい作りを目的に相談も寄せられているという。

 濱田さんは「まずはアクポニで作られたものの生産性と安全性の高さを伝え、ブランドとして周知させたい。世界にはより切実に食物の生産に悩んでいる国が多くあり、そういった国の人たちと一緒に、世界中に安全な食を提供していきたい」と話す。

 完全予約制の企業向け見学会を毎週水曜日に開催。

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