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藤沢市在住の漫画家が「SM心理」題材にラブコメ漫画 初の単行本を出版

発売された単行本を手に持つ屋敷サラさん

発売された単行本を手に持つ屋敷サラさん

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 藤沢市在住の漫画家・屋敷サラさんのラブコメ漫画「結婚首輪の交換です」の単行本が5月8日、出版になった。

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 2020年11月から新潮社のWebマンガサイト「くらげバンチ」で連載を開始した作品。全年齢向けのラブコメ漫画としては異色の「SMの心理」をテーマに据える。屋敷さんは「飲み会などで『SかMどっち?自分はSなんだよね』と言ってくる人は毒舌な人が多く、実際のSMの世界のSの人と全然違うと感じたことをきっかけに着想した。過去にSMの世界を少し垣間見たことがあり、そこではSは寛容で優しい人が多かった。このギャップを描けたら面白そうだと思った」と振り返る。

 作品は、モラハラ気味なオレ様(さま)彼氏を持つ内気な女性が主人公。主人公は自分をMだと考え、彼氏は自分をSだと考えているが、実際は真逆。それを自覚して関係性が逆転するというストーリーが展開する。

 「一般的な恋愛関係とSMの主従関係は全く違うように見えるが、実はどちらも人間同士の深い関わり合い。良い関係を築くには、思いやりや話し合いが大切で、根底の部分は実は同じなんだということも描きたかった」と屋敷さん。ストーリーは、恋愛や仕事などでアラサーの社会人女性が抱く等身大の悩みにSMの世界が何となく答えをくれるという形で展開が進み、その中で自分はどう生きていきたいかを模索し、成長してゆく女性の姿を描くという。

 屋敷さんは「この漫画のもう一つのテーマは、女性が男性を『かわいい』と思う恋愛。かわいいは女性への誉め言葉という印象がまだ強いが、多様な生き方がある今の時代、女性が男性をかわいいと言ってリードしてもいいし、男性がそれを喜んでもいい。かわいいは相手の格好悪い部分も全て包み込んで受け入れる愛情深い言葉で、そこに男女は関係ないんじゃないかなと感じている」と話す。「極端な言い方をすると、本作の中ではかわいいと言う人=S、可愛いと言われて嬉しい人=Mという表現をしている。SMは、性格というよりは人の気質だと思う。だから内気なSもいるし、勝気なMもいる。そこが奥深くて面白い。この漫画を通じて、自分はSかMどっちだろうと考えてみたり、友人同士でわいわい話したりするきっかけになったら嬉しい」とも。

 価格は660円。電子書籍版もある。全国の書店・ネット書店で買える。第1話は「くらげバンチ」のウェブサイト(ホームページ)で無料で読むことができる。

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