中央出版が12月2日、「ウェルフェア トリップ 福祉の場をめぐる小さな旅」が出版され、藤沢市内から「特定非営利活動法人さんわーく かぐや」と「株式会社ぐるんとびー」が、平塚市から「社会福祉法人 進和学園」が掲載された。
同書は障がい者や社会的弱者たちが働き、暮らしている各地の福祉施設や共同体を紹介する内容。著者はフリーライターの羽塚順子さん。
藤沢市からは、善行にある日中一時支援事業所の福祉施設「特定非営利活動法人さんわーく かぐや」と、藤沢市大庭で地域密着型介護福祉を行う「株式会社ぐるんとびー」が。平塚市からは「福祉工場から多様性と調和のいのちの森づくり」をテーマに活動する「社会福祉法人 進和学園」が取り上げられた。
さんわーく かぐやの紹介では、年に一度、秋に開催する「かぐや祭り」にも触れ、全国からアーティストやファンが集まることや、そのお礼にお金ではなく、かぐや自家製の海の塩や梅干し、みそ、米などを渡していることを紹介。「地域を耕し、豊かさの種を蒔(ま)く、住宅街の隠れたブータン」と評した。
羽塚さんは「過去に特別支援学級で障害児教育に関わっていたことや、自身も親の介護や家族の病気、入院、障がい、離婚などの機会で行政の福祉窓口に出向くことが多かったことなどが執筆のきっかけになった」と話す。「福祉や教育分野で次の世代に残せることがあるのではと、2009年頃から障害者施設を訪ね歩くようになった。十数年で300カ所ほどの施設を訪ね、地域ならではの手仕事を福祉施設と一緒に取り組む人たちなどに出会い、心ひかれた場や取り組みを紹介したいと考えた。人間同士が支え合い、共に生きるという本来の在り方を伝えられれば」とも。
価格は1,760円。