藤沢市の映像制作会社「ドルフィンスルー」が湘南エリアの映像カメラマン、ディレクター、配信エンジニアなどと連携し、依頼者のもとに撮影スタッフを「出前」する事業を展開して6カ月がたった。
事業を企画したのは同社の横川隆司社長。新型コロナ禍により、大人数のスタッフを集めての撮影やロケ撮影が次々とキャンセルとなり、国内外への出張も自粛。売上が激減したが、オンライン配信など映像を通じてのコミュニケーションは対人接触機会を減らせることから、地元の撮影事業者と連携して低価格のパッケージプランを作ったという。
横川社長は「密室になる撮影スタジオを使わず、カメラマンとディレクター、制作進行の3人だけを、感染対策をしっかり行ったうえで依頼主の元へ『出前』する。スピード重視でその場で撮影し、文字テロップも挿入し、BGMや効果音もその場で提案するなど編集し、フルハイビジョン映像作品として完成させる」と話す。
小田原のフラダンススタジオからのオンラインパフォーマンス映像や鎌倉の会社からの海外への販路開拓を目的としたコマーシャルフィルムなどの引き合いがあり、撮影では実際に「出前」し、映像を納品したという。
横川さんは「ウェブ朝礼や、セレモニー、プレゼンや新商品の紹介など、映像が担える部分が多いと感じる。今後は接触機会を減らすためにも、リクルートに使える映像やビデオ社内報、動画で工場見学なども提案していきたい。映像というと高価で手が出ないというイメージがあるかもしれないが、湘南エリアの事業者が担当するので交通費も安く済む。気軽に注文してほしい」と利用を呼び掛ける。
金額は29万7,000円。DVDやブルーレイなどのメディアによる納品のほか、ユーチューブへその場でアップロードしての納品も受け付ける。