野菜と魚を生産する循環型農業「アクアポニックス」の実証実験を行う、総面積500平方メートルの農場「ふじさわアクポニビレッジ」(藤沢市長後)が7月1日、開設された。
横浜市内の企業アクポニが運営。2021年2月に開設した「湘南アクポニ農場」に続き、2拠点目となる。
アクアポニックスは、水耕栽培と養殖を掛け合わせ、魚、微生物、植物が生態系をつくることで、農薬や化学肥料、除草剤を使わず、生産性と環境配慮が両立できるという。
同農場は他社と共同で複数の実証実験を行うコミュニティー型農場であることが特徴。同社が開発したアクアポニックス生産パッケージ「アクポニハウス」のショールームも兼ねている。同ハウスは現在3サイズを展開し、駐車場1台ほどのスペースで毎月最大1000株の野菜やハーブが栽培可能という。
同社社長の濱田健吾さんは「ふじさわアクポニビレッジはアクアポニックスの可能性を凝縮した実験施設。ここから新しい食の生産と流通を発信していく。これまでの地方の大規模型農業に加えて、都市部の遊休地や廃熱・排水などの資源を1次産業に活用することで、資源が循環し、人もうれしくなる、小規模分散型の都市農業を推進したい」と話す。
「興味のある人や団体が集まる、開かれた農場をコンセプトに設計している。企業や自治体との交流に加え、一般の方に『見る』『食べる』『知る』などの体験を通して身近に感じてもらいたい。アクアポニックスで生産した野菜と魚の一般販売も行い。資源循環や食育を学べるイベントも開催する予定なので、気軽に訪れてほしい」と呼びかける。