藤沢市内に工場を持つメルシャンと中沢乳業が連携し、メルシャンのワインを使ったシャーベット菓子「ワインソルベ」を開発し、5月11日、関係者向けに試食会を行った。
メルシャンは藤沢工場の前身となる大日本醸造が1920(大正9)年から、藤沢市城南で工場を操業。家庭向けのハウスワインを中心に生産している。中沢乳業は1996(平成8)年、藤沢市遠藤に湘南工場を開設。主に業販向けの生クリームや菓子、料理向け加工食品などを生産する拠点となっている。
両者は、地域で産業創出や推進を目的に活動する「湘南産業振興財団」担当者が引き合わせて出会った。互いの強みを持ち寄り、新商品の開発に取り組んできたという。
メルシャンの大金修工場長は「ワインの香り高い新たなシャーベット菓子を生み出すことができた。食に関わる企業が連携したことで、食文化の発展に寄与できれば。100年以上、お世話になっている藤沢にお返しがしたい」と話す。
関係者向けの試食会には、藤沢市や同財団担当者、メディア関係者などが出席。赤ワインソルベ、白ワインソルベ、子ども向けにアルコール分を含まないソフトクリームの3種類の試作品を試食した。
中沢乳業の松嶋俊輔さんは「今回のメルシャンのワインも醸造酒だが、当社は発酵生クリームを商品化するなど醸造発酵と相性が良い。冷凍の過程で失われやすいワインの香りをそのままに商品を作ることができた」と話す。
同製品は5月20日・21日、藤沢市民会館(鵠沼東)で行われる「藤沢産業フェスタ」で、1日180食限定で無料試食を行う。今後は中沢乳業が開発を続け、業販向けの食品素材としての商品化を目指す。