元鎌倉学園教員で世界一周中の飯塚直輝さんの「お話会」が8月6日、鵠沼橘市民の家(藤沢市鵠沼橘1)で行われた。当日は教育関係者や学生など20人以上が参加。飯塚さんは半年間の旅で9カ国を見聞して得た学びについて語った。
飯塚さんは私立鎌倉学園中学校・高等学校で12年間英語教師を務めた後、野外活動中心のフリースクールで教室長を1年間務めた。3月からは、世界一周旅行をしながら各地の教育施設で英語や日本語を教えるほか、現地を案内するスタディーツアーなどを行っている。
今回の一時帰国は、自身が開催するバングラデシュのスタディーツアーに参加した生徒を日本まで送り届けたことによるもの。
お話会では、フィリピン・セブ島沖にあるカオハガン島での体験を中心に、ガスや電気、水道などのインフラが整備されていない地域で幸せそうに暮らす人々を紹介。他の地域で見た、生き生きと暮らす人々との共通点ついて、飯塚さんの視点から説明。大人と子どもが交ざり合い、地域の家庭を子どもが自由に行き来するコミュニティーや、何があっても最低限食べて行けるセーフティーネットの存在、不具合を無理に解消しようとせず、考え方を変えて環境に自分を合わせる知恵などについて例を挙げながら紹介した。
「心の豊かさは環境によって決まるものではなく、自分の心によって決まっていくもの。カオハガン島の幸せの秘訣(ひけつ)はそこなのかなと。ただし、どうしても嫌ならその場所を出ていく道も残されている。そこも、大事なポイント」と話す。
参加者は「ちょっとびっくりするような話だった。ガスも水道もない暮らしはすごい。座学では分からないような話を実際に体験した方から聞けて良かった」「ワクワクした。気付いたことを発信することは大事」などと刺激を受けた様子が見られた。
飯塚さんは8月12日、カオハガン島のコミュニティーに関する対談を開くほか、来年3月にはカオハガン島へのスタディーツアーを開催する。