木のデザインで木の魅力を伝えながら子育てをサポートする機能を備えた「木育(もくいく)トラック manaviba(まなびば)」のお披露目式と体験会が6月29日、いすゞプラザ(藤沢市土棚)で開催された。
木育トラックは、同社の小型ウイング車「いすゞエルフ」を採用。荷台内部に、授乳室や棚を備えた木質の空間を施工した。子育てサポートの機能として、おむつ替えシートやクーラー、発電機、蓄電器、無線LAN、ウオーターサーバー、机、椅子を備えている。地域や企業のイベントと連携し、子育て世代をサポートする保育室として活用しながら、遊び場や木育の学びの場、災害時の支援サポートなどさまざまな用途に対応するという。
同トラックの製作は、木を使うことによって社会課題の解決を目指す「日本ウッドデザイン協会」に所属するメンバー14社がチームとなって行った。チームリーダーは、女性4人が運営し、木育おもちゃ、木製品の製造販売を手がける広島県三次市の「一場木工所」が担当した。同社代表の一場未帆さんは「木のある豊かな暮らし、木材利用、森林・林業が持つ力をデザインに込め、内装から搭載する家具やおもちゃに至るまで、木材の利活用やストーリーがこの一台に結集されている」と話す。
体験会に参加した子どもたちは、木で作られた野菜でままごとをしたり、いろいろな種類と形が入っているボールプールで寝そべったり、働く車を走らせたりと、思い思いの遊びを楽しみ、「トラックがかわいい」「野菜がスベスベしている」などの声が聞かれた。
一場さんは「木に触れてその良さを感じられる環境を提供することが、木を使い、森を守り育てることの理解につながり、将来的に自分たちの生活を豊かに暮らすことのヒントになる」と話す。「移動式にしたことで、さまざまな地域の企業のCSR活動や地域のイベントなどを低コストでサポートすることができ、森林環境の理解者の輪が広がると期待している。森やものづくりや自然環境を伝える次世代を育てていきたい」とも。
基本料金は1日1台利用で33万円。森林環境譲与税を活用したイベントプランや人材育成プランなども導入する予定という。
利用予約は7月4日から受け付ける。