平塚にギャラリーカフェ-地元の空間作家、20年越しの夢かなえ開店

カフェ内外の壁や看板もすべて中角さんの手によるもの

カフェ内外の壁や看板もすべて中角さんの手によるもの

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 平塚駅南口の扇松海岸通りに昨年12月16日、空間作家の中角泰子さんが「Little party design + cafe gallery」(平塚市松風町、TEL 080-5485-9241)をオープンした。

中角さんお気に入りのデッキスペース。店内のインテリアはすべて自宅にあったもの

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 平塚生まれの中角さんは東京学芸大学美術科卒。桐朋小学校、母校の清泉女学院で約10年間、子育てと陶物作家の活動を並行しながら教べんを執る。戸塚で子どものための造形教室を主宰した後は実家のある平塚に戻り、陶芸の個展を1年おきに続けながら、構造以外のすべてを手掛ける店舗デザインの仕事に携わってきた。

 同店オープンについて、中角さんは「29歳で個展を始めてから、もの作りたちが出入りするカフェやギャラリーのような空間をいつか開きたいとずっと思ってきた。介護が必要な母の近くに身を置きながら、その夢を実現できる条件がそろい、今までしてきたことの集大成としてカフェを開く決心をした」と話す。

 店舗面積は8坪、席数は16席。手描きの看板や建物の外壁やトワイライトグリーンの店内、天井や家具のイラストなど、中角さんがすべてペイントを手がけた。自宅から木や鉄のオブジェや焼き物、中角さんが生まれる前から実家にあったソファ、学校で不要になった木製のいすなどを搬入し「少し懐かしくてほっとする」空間に仕上げたという。

 メニューは、小麦粉を使わずタマネギとスパイスをベースにトマトを加えて仕上げた「インド人直伝キーマカリー 季節の野菜の素揚げのせ(コールスロー付き)」(800円)、地元「松風商会」の天然酵母パンを使った「おいしいチーズのチーズトースト 日替わり具だくさんのスープのセット」(800円)など、「一人で作るので、あらかじめ準備したものに一手間かけておいしいもの」を提供するほか、茶道の宗匠としての腕を生かした「お抹茶と甘味」(600円)なども。毎月3日・13日・23日には、中角さんが店舗デザインを手がけたスイーツとデリの店「3p.m.さんじ」(袖が浜)のメニューを提供する「さんじごはんの日」を設けた。

 店内の壁面は、食品以外の作品を展示販売するギャラリーとして貸し出す。料金は1日2,000円にコーヒーチケット4枚1,500円を加えた計3,500円。同店企画による展示も受け付ける。

 中角さんは「1杯のコーヒーが、いっぱいの愉しみの始まりになれば。この空間を気に入ってもらい、またあの作家の作品が見たい。もの作りをする人なら、ここなら自分も何かできるかもしれないと心に灯をともして帰ってもらえたら本望」と話す。

 営業時間は12時~19時(第1・2・4土曜は20時~23時)。毎月10日・20日・30日は休み(臨時休業あり)。今月16日には15時からウクレレとギターのライブを開催。

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