鎌倉・長谷にたい焼き店-25歳で独立開業、「一丁焼き」にこだわり

「焼き姿のパフォーマンスと、昔の駄菓子屋の軒先で味わうような気軽さを楽しんでほしい」と濱田さん。鋳型は3キロ近い重さがあるという。

「焼き姿のパフォーマンスと、昔の駄菓子屋の軒先で味わうような気軽さを楽しんでほしい」と濱田さん。鋳型は3キロ近い重さがあるという。

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 鎌倉文学館前交差点角に1月1日、「たい焼き なみへい」(鎌倉市長谷1、TEL 0467-24-7900)がオープンし、連日盛況ぶりをみせている。

由比ヶ浜駅から徒歩3分、鎌倉文学館交差点角に出店

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 店主の濱田紳吾さん(25)は高校卒業後、横浜、湘南エリアに関心があり横浜市立大学に入学し経営学を専攻。在学中にスカウトで始めたモデルの仕事を機に美容やダイエットを研究する中、自身の食物アレルギーを徐々に克服し、大学卒業後は「より専門的な食の研究、質と安全にこだわったお菓子作り」を仕事にしたいと天然酵母のパン、フランス菓子、和甘味の現場を経験。「製造ラボにこもりきりの仕事より、人とのふれあいとパフォーマンス性がある」たい焼き職人に引かれ、都内老舗店で修業し、「たい焼き誕生100周年にあたる」昨年大みそかにプレオープン、今年元旦に正式オープンした。

 同店で販売するたい焼きは、昔ながらの鋳型を使って1匹ずつ焼き上げる「一丁焼き」と呼ばれるもの。現在主流の6連式(機械焼き)で焼いた「養殖物」に対し、一丁焼きのたい焼きは「天然物」と呼ばれ、「この焼き方を続ける店は全国でも珍しく、職人の高齢化も深刻」という。濱田さんは「決してもうかる商売ではないが、直火で焼いたパリパリの皮の食感、みずみずしく湯気立つあん、焼き姿のパフォーマンスにお客さまが満足してくれたときの喜びは他に代え難いものがある」と話す。

 店舗面積は12坪、焼き場の横には待合室を設けるほか、春までに喫茶スペースをオープンの予定。メニューは定番「あずき」(150円)のほか、「本日の特選あん」として「抹茶あん」(200円)、焼き栗あん(200円)などを用意するほか、「国産小麦のおいしさを知ってもらいたい」と発酵型の揚げたてドーナツも販売予定。夏期は鎌倉がかつて氷室であったことにちなみ、「小町(生イチゴ)」「鎌倉山(宇治金時)」など鎌倉にちなんだ名前のかき氷を提供するという。

 「古都鎌倉に一丁焼きのたい焼き文化を根付かせたいと出店した。食育の観点からも素材や作り方にこだわった菓子や軽食を提供していきたい」と濱田さん。「鎌倉に大手フランチャイズ店がじわじわ増えつつあるなか、鎌倉発の個人商店も頑張っているぞ、とアピールできたら」とも。

 営業時間は10時~18時(夏期は19時まで)。材料がなくなり次第終了。月曜定休(1月12日は休み)。「本気でたい焼き職人を希望する人」を対象に求人も行っている。

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