県立大磯城山(じょうやま)公園(大磯町国府本郷、TEL 0463-61-0355)で現在、1990年の全面開園から20周年を記念した企画展「全面開園20周年展」が開催されている。
三井財閥本家の別荘地を前身とする同公園。1934(昭和9)年に建てられた「城山荘」、1918(昭和13)年に移築された国宝茶室「如庵」、薬師寺や浅草寺など有名寺社の古材を用いた建造物などを擁したが、財閥解体後は大半の土地が三井家を離れ、1970(昭和45)年には建造物も解体。後に、跡地の再利用案として県が都市公園として整備され1987(昭和62)年に部分開園、1990年に全面開園した。総面積は約7ヘクタール、過去3年間の平均来園者数は年間10万人。
同展では、旧三井財閥別邸当時の施設として唯一現存する建物を利用した北蔵ギャラリーで、同公園20年の歩みを写真や年表に解説を加えたパネルで展示するほか、大磯城山公園・大磯町郷土資料館(西小磯)・大磯運動公園(国府本郷)の3カ所を回ると記念品がもらえるスタンプラリー、同資料館学芸員が三井別邸時代の跡地や通常非公開の東蔵、園内の植物などを案内する「城山公園見どころ見学ツアー」(2月6日11時、14時、参加無料、先着15人程度)などの企画を用意。
同展を共催する同資料館では記念行事として、「三井高棟と吉田茂-城山荘と如庵、七賢堂の記憶-」を開催。1898(明治31)年に同地に別邸を構えた三井家10代当主・高棟(たかみね)に関する資料や、別邸に隣接して建てられ、2009年3月に全焼した旧吉田茂邸で焼失を免れた品々を展示するほか、高棟の孫・三井保子さんによる講演「城山荘と三井高棟の思い出」(2月11日13時30分~、無料、先着70人)を予定。なお、県により旧吉田邸敷地を取り込んだ同公園の拡大計画が2009年に決定し、来年以降の完成を予定し事業が進められている。
同公園園長の福本勝彦さんは「これまでの公園の発展は、さまざまな方のご協力のたまものと感謝している。これからも『くつろぎとおもてなし』をモットーに公園作りを目指していきたい」と話す。
開催時間は北蔵ギャラリー9時30分~16時(会期中無休)、郷土資料館は9時~17時(2月7日は休み)。講演と見学ツアーを除く開催期間は2月13日まで。