茅ヶ崎市文化資料館(茅ヶ崎市中海岸2、TEL0467-85-1733)で現在、かながわの遺跡展・巡回展「発掘された御仏(みほとけ)と仏具-神奈川の古代・中世の仏教信仰-」が開かれている。
遺跡などから出土した古代・中世のさまざまな仏像・仏具・仏教関連遺物や出土遺跡パネルを中心に展示する同展。出土品と出土遺跡の状況から、どのような形で使用されていたかを解説し、考古学の視点から民間信仰を含めた古代・中世の仏教信仰について探る。特に、国史跡に指定される予定の茅ヶ崎市内にある下寺尾官衙遺跡を構成する七堂伽藍(がらん)跡やその周辺からの出土物を数多く展示する。
神奈川県内の古代・中世の遺跡からは仏像や仏具・仏教関連遺物が発見されることがあり、それらは寺院跡や経塚(きょうづか)、墳墓だけではなく、集落や都市遺跡、田畑や山中、湿地など思いがけない場所からも出土する。理由は、仏像・仏具がさまざまな場所で、仏事や祭祀(さいし)、葬送などに使われ、幅広い人々に仏教信仰が浸透していたためと考えられるという。
同資料館主査・学芸員の須藤格さんは「神奈川県教育委員会と協力し、巡回展として行った展示会は初めての試み。1年前から展示企画や構成について相談を行い、図録やポスターの印刷などを分担し、限られた期間で、県の職員と市の職員が教育して展示会場の設営を行ったことは大きな成果」と話す。「考古学や仏教史などにご興味ある方だけでなく、普段、まちの歴史などに触れていない方にもぜひお越しいただきたい」と呼びかける。
開館時間は9時~16時。月曜休館。入場無料。3月1日まで。