新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)が展示「深海I」の標本展示コーナーをリニューアルし、4月5日、深海性クラゲに焦点を当てた標本展示を始めた。
日本初記録種として2026年2月に発表されたホムラノツノガサクラゲの標本
同館は開業当初から深海生物の標本展示を行っており、これまでリュウグウノツカイやチョウチンアンコウの仲間、メンダコなどを紹介してきた。近年は水中ドローンによる調査で深海性クラゲの記録が進んだことから、クラゲ類に特化した展示へ刷新した。
リニューアルしたコーナーでは、アガー(凝固剤)を用いた浮遊標本として現在6種のクラゲを展示。水中ドローンで撮影した生体映像も併せて紹介し、深海での姿も見ることができるようにする。
目玉となるのは、日本初記録種として2026年2月に発表された「ホムラツノガサクラゲ」の標本。同館と黒潮生物研究所、FullDepthが共同で研究し命名した種で、世界的にも報告例が少ない稀種という。展示している個体は論文作成時に詳細な形態観察や遺伝子解析を行ったもので、日本で唯一の標本となっている。
同種は水深約650メートルから採集され、4本の長い触手と16本の短い触手、赤く発光するような口柄が特徴。傘の形状が伝統的な「かさ」に似ていることや、赤色が「炎」を思わせることから命名された。
同館の山本岳さんは「深海のクラゲはまだ分かっていないことが多く、調査の度に新しい発見がある。今回の展示も研究の進展とともに更新していきたい。来館者に深海生物の魅力を伝えていきたい」と話す。
開館時間は9時~17時。入館料は、大人=2,800円、高校生=1,800円、小・中学生=1,300円、幼児(3歳以上)=900円。