藤沢市は3月27日、市制70周年を記念して市労働会館(藤沢市本町1)で開催した「ふじさわ景観まちづくりフォーラム」で「わがまちふじさわ景観ベストテン」を発表した。選出したのは全市と市内13地区の各10景観計140カ所。
海老根靖典藤沢市長のマニフェストにも掲げられていた同事業は、同市の景観を市民目線で発掘・再認識するとともに、藤沢の良好な街並みの維持保全や魅力ある景観づくりを進め、次の世代に引き継ぐことを目的としたもの。昨年5月から9月にかけて市内外から公募し、一般市民から188件、地区実行委員会からの推薦402件の計590件(重複を除き318カ所)の景観が寄せられた。
市観光協会や外部学識経験者らによる実行委員会が選定したベストテンは、「『史跡名勝』江の島」「湘南海岸とR134」など同市を代表するような景観に加え、「江ノ電の走る風景」「ケヤキ並木と湘南ライフタウン」など生活に根ざした景観も。
このほかのベストテンは次の通り。「松と玉石垣のまちなみ・鵠沼」「遊行寺と東海道藤沢宿」「水と緑のサイクリングロード・境川」「水と緑のプロムナード・引地川」「原風景の残る三大谷戸(川名清水・石川丸山・遠藤笹窪)」「あじさいと彼岸花の小出川」。地区住民が構成する地区実行委員会では、小糸川沿いのしだれ桜(湘南大庭地区)のほか、世界でも例の少ない片面吊りの曲線吊橋「鷺舞橋」(湘南台地区)などを選出。2008年に完成した鷺舞橋は自転車・歩行者用で、形状が周辺に飛来する鷺が羽を広げた姿に似ていることから名付けられたという。
市景観まちづくり課担当者は「各地区にも実行委員を配したことで、その地区でしか知られていない多様な景観を発掘できた。マップ制作や、選出された景観をめぐるウオーキングイベントなども検討予定」と話す。