茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北1、TEL 0467-88-1177)で現在、ツバキをモチーフにした多様な美術作品を展示する企画展「椿、咲く-絵画と工芸-」が開催されている。
北大路魯山人 《色絵椿文鉢》 1935~44年 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社蔵
あいおいニッセイ同和損害保険が所蔵する美術品のコレクションから選ばれた約60点を展示する同展。収集対象をツバキに絞ったコレクションは全国的に見ても珍しく、質量ともに国内随一ともいわれている。
展示は3部で構成。「桃山~江戸期の絵画と工芸」では豪壮な金碧障屏画(きんぺきしょうへいが)の系統である伝・狩野山楽のびょうぶ「椿梅図」や、尾形光琳・乾山兄弟の絵画や工芸作品、江戸琳派の酒井抱一や鈴木其一らの絵画などを展示。「大正・昭和期の名作」では、村上華岳や小林古径、髙山辰雄などの日本画と、熊谷守一、児島善三郎、香月泰男らの油彩画を、「湘南・鎌倉ゆかりの作家」では大磯ゆかりの安田靫彦や堀文子、藤沢・鵠沼に住んだ岸田劉生、平塚に生まれた鳥海青児など湘南地域ゆかりの画家をはじめ、鎌倉で制作を続けた前田青邨、小倉遊亀、福井良之助などの作品が並ぶ。
期間中、各種イベントも企画。同館のある高砂(たかすな)緑地内の茶室・松籟庵(しょうらいあん)では「花にちなむお茶会」(3月19日、一席300円、企画展観覧の場合200円)を開くほか、20日に担当学芸員によるギャラリートーク(無料だが観覧券が必要)を、21日には「春の訪れ~ハープコンサート」(無料)を、それぞれ予定する。
「時を越えて愛され続けてきたツバキが、さまざまな表現方法により芸術作品に昇華された姿を見られる好機」と同館担当学芸員の西内裕詞さん。「高砂緑地や松籟庵の梅、近隣に位置し今月見頃を迎える『氷室椿庭園』のツバキとともに、花と美術を楽しむ一日を過ごしてほしい」とも。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。一般観覧料金は500円。休館日は月曜(3月21日は開館)、3月22日、23日。3月27日まで。