今年で140周年を迎えた熊澤酒造(茅ヶ崎市香川7、TEL 0467-52-6118)が創業時に造られていたとされる「どぶろく」を商品化し、10月6日~8日に同社で行われるイベント「オクトーバーフェスタ」で披露する。
明治5年に創業した同社は、創業時には「どぶろく」を造っていたものと思われる。当時の資料は関東大震災の被害で残っていないが、先代の話や近隣の資料から推察したところ、熊澤家は米作りを中心とした農業を営んでおり、その余剰分の米を原料に酒造りをスタート。当時は仕込んだもろみを漉(こ)す設備などが無い時代だったため、そのまま販売していた。その後、ろ過された清酒の製造が始められ現在に至っている。
創業当時は自ら育てた原料米を使っていたため、今回も米は湘南地域に限定して探し、茅ヶ崎市芹沢の農家、常盤さんの「キヌヒカリ」を分けてもらい、酵母は敷地内で仕掛けをセットして天然酵母を採取。さらにラベルも、同社から1.5キロ南西にある間門川に架かる「大曲橋」が「河童徳利」という伝説の発祥の地であり、酒にちなんだ伝説ということもあって、かっぱをモチーフにデザインしたという。
「清酒では造れない米粒の混じった発酵中で甘酸っぱいお酒。今回どぶろくの製造にあたり濁酒製造免許を取得、地元の原料を使った初めての取り組みなので湘南地区の方々に飲んでいただき、そこから全国へ広げていきたい」と杜氏(とうじ)の五十嵐さん。
価格は1,418円(720ミリリットル)、2,835円(1440ミリリットル)。同社経営のレストラン、酒販店、百貨店、スーパーなどで販売。