技研製作所(東京都江東区)はパナソニックと連携し、「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(SST)」(藤沢市辻堂元町6)で、「モバイルエコサイクル」を活用したシェアサイクルシステムの実証運用を始めた。期間は9月1日から1年間。
同システムはSST住民向けに電動アシスト自転車のシェアサービスを行うもので、予約や貸し出し手続きはスマートフォンなどに対応した住民専用ポータルサイトで行う。自転車の引き出しは、「Fujisawa SSTカード」によるワンタッチ操作のみ。利用後は充電ロッカーでバッテリーを交換し、返却すれば手続きが完了する仕組み。
実証運用が行われるSSTは、パナソニックの工場跡地(19ヘクタール)に1000世帯の住宅と商業・福祉・教育・交流などの施設を整備した官民一体の街区開発事業で、2014年に誕生した。同システムでは、SSTの住民がすでに使用しているカードを活用できる点が特徴。
モバイルエコサイクルは、コンパクトで組み立て・解体・運搬が容易な可搬式。平置き駐輪場に比べ省スペースで、自動車約3台分の駐車スペースに自転車58台を収容できる。設置に1日~2日、撤去は1日で完了。機械管理による安全で快適な保管のため、放置自転車や駐輪場不足、盗難などの課題解決にも結びつく。
パナソニックは、自転車とバッテリーを太陽光発電で充電し保管・管理する充電ロッカーを提供、環境負荷の少ないモビリティ社会の推進に貢献する。
技研の矢野昌太郎さんは「従来の駐輪場は場所を取り景観を悪くする要因にもなっているが、このシステムの外装面は広告・案内スペースとしても活用でき、『魅せる駐輪』によって街を変える効果もある。今回の実証運用により自転車利用を促し、機能的で快適な街づくりに貢献するロールモデルとして、日本だけでなく海外展開も視野に入れた情報発信を進めて普及拡大につなげたい」と期待を込める。
シェアサイクルシステムの利用は8時~20時。SSTカードを保有する居住者が対象。