横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校で「土曜学校」

当日の授業の様子。作った「卵」の中身を当てるクイズに一喜一憂した

当日の授業の様子。作った「卵」の中身を当てるクイズに一喜一憂した

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 横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校(鎌倉市雪ノ下3)で3月4日、「土曜学校」が開かれた。

横浜国立大学・大泉准教授(左)と同大教育人間科学部附属鎌倉小学校・木村昌彦校長

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 さまざまな分野の専門家を講師として招き、同小の児童だけでなく内外の親子にも門戸を開き、学ぶ楽しさを共有する目的で年2回開いている。毎回多くの応募があり高い倍率となっている。

 この日の講師は教育学博士で横浜国立大学教育人間科学部の大泉義一准教授。専門は美術教育学。集まった小学1~4年生児童と保護者29組・59人に「みのまわりを手で見なおしてみよう!」と題した体験講義を行った。

 講義は白い風船を殻に見立て、ペットボトルや割りばしなどを使って中に大豆、小麦粉、ビー玉、ビーズを入れ卵の形にしてから触れてみることで、生活の中のありふれたものから新たな気付きを得ようというもの。その後、参加者がそれぞれの家庭から持ち寄った素材を詰めて手の感触だけを頼りに中身を当てるゲームも行われた。

 背景にあるのは、横浜国立大学で大泉准教授と共にアートと教育に関心を寄せる学生、教員、市民ら44人で構成されたAEゼミが進める、教育実践プログラム「アートツールキャラバン」。子どもたちが五感を働かせて遊ぶのを通じて周囲と協力しながら能動的な表現活動を促すのが狙い。同プラグラムでは2011年、東日本大震災の避難場所となった神奈川県内の施設で遊び場を提供するボランティア活動を行うなど、子どもたちの心のケアにも取り組んでいる。

 講義の終盤に行われた「卵」の中身を当てるゲームの正解率は約50パーセントだった。予想に反する低い結果に児童たちは驚いていたが、大泉准教授は「正解かどうかよりも、触ってどう感じたかのほうが大切」と説明。保護者に向けては「感触を頼りに自ら考えるプロセスの価値を見直し、普段目にする何気ないものを『味わい直して』みてほしい」と呼び掛けた。

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