藤沢と鎌倉の歴史にある源平の争乱を下敷きに執筆された幻想小説「ホワイト・ライオン」が1月20日、幻冬舎から出版された。
藤沢の歴史を下敷きにした幻想小説「ホワイト・ライオン」作者の森川天喜さん
著者の森川天喜(あき)さんは、「藤沢、鎌倉で起こった実際の争乱、史実を元に幻想的な世界観の中で物語を再構成した」と話す。
森川さんは大磯在住の作家で、ジャーナリスト。鎌倉ペンクラブに所属し、大磯町観光協会理事なども務める。旅行や鉄道、ホテル、都市開発などをテーマに雑誌やインターネット媒体などに執筆する傍ら、同書を手掛けた。
森川さんは作品について、「平安時代後期に、現在の藤沢周辺を領有していた大庭一族と、東国に流されて来た源頼朝が交流したことから生まれた物語を下敷きにしている。活字離れが進む昨今、歴史小説を真正面から書いても読んでくれる人は少ない。そこで、思い切って架空の国に物語の舞台を移し、幻想的な世界観の中でストーリーが展開する作品にした」と話す。
「年号や登場人物の複雑な相関関係などから歴史が嫌いという人が多いと思うが、この作品はとてもシンプル。また、戦記物語でありながら暴力的なシーンは極力少なくしているので、幅広い年齢層に安心して読んでもらえる。歴史に触れるきっかけになってくれれば」とも。
カバーと挿絵は鎌倉在住のパステル画家・伊藤華奈さんが担当した。
価格は1,200円。全国の書店のほか、インターネットなどでも販売している。