老舗旅館の「茅ヶ崎館」、国の登録有形文化財に-市で初の登録

服部茅ヶ崎市長から登録プレートの伝達を受ける茅ヶ崎館の4代目館主森勝行さん

服部茅ヶ崎市長から登録プレートの伝達を受ける茅ヶ崎館の4代目館主森勝行さん

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 1月8日付けで国の「登録有形文化財建造物」として登録された茅ヶ崎の老舗旅館「茅ヶ崎館」(茅ヶ崎市中海岸3、TEL 0467-82-2003)で3月8日、服部茅ヶ崎市長から同館に登録有形文化財登録証と登録有形文化財プレートが伝達された。同市で建造物としての登録有形文化財は同館が初めて。

服部市長から茅ヶ崎館に伝達された登録有形文化財プレート/登録証(関連画像)

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 登録となった対象は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として同館の「広間棟」「中二階棟」「長屋棟」。「造詣の規範となっているもの」として「浴室棟」。

 1899(明治32)年に創業した同館は、湘南海岸を望む高台に建ち、30畳大の軽快な意匠の座敷飾りを備えた「広間棟」と、その南西側に「中二階棟」、南東に「長屋棟」を配し中庭を囲む造りとなっており、広間棟後方の「浴室棟」は数奇屋風の意匠でまとめられているのが特長。茅ヶ崎の別荘地・保養地としての100年余の歩みを具体的に示す存在で、地域の文化史上、極めて貴重な建造物となっている。

 同館は、小津安二郎監督が定宿としたことでも知られており、「長屋紳士録」「晩春」「麦秋」「東京物語」をはじめ数多くの有名作品を同館に滞在し書いた。

 今回の登録について、同館五代目館主の森浩章さんは「今年で茅ヶ崎館は創業110年を迎えることができた。地元の文化と歴史を背負った使命感を忘れず、これからも心を込めて営業していく」と話している。

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