旅するアーティストが魔神を描くライブイベント-鎌倉のギャラリーで

ウラダナ2階ギャラリーで「鎌倉魔神」の制作にとりかかった長田さん。使用する色は20~50色以上になることも。

ウラダナ2階ギャラリーで「鎌倉魔神」の制作にとりかかった長田さん。使用する色は20~50色以上になることも。

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 鎌倉のアパレルショップ「ウラダナ」(鎌倉市御成町、TEL 0467-33-4850)2階ギャラリーで現在、アートイベント「鎌倉魔神」が開催されている。

水辺の景観を変える大阪府の事業の一環で、今年8月に制作された木津川ウオールペインティング「大阪水魔神」

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 同イベントは、今年8月から東京・大阪・静岡などで開催してきた「魔神ツアー」の一環で、アーティストの長田(おさだ)龍さんが日本各地を旅しながら、会期中その場所に滞在しアートを完成させるもの。その理由について、長田さんは「地域の人と交流し、その土地や、そこに生きる人たちのエネルギーを感じながら描くことに意義がある」と話す。

 武蔵野美術学園で絵画科を専攻した長田さんは、卒業後に銀座の画廊でアルバイトをしながらアーティストとしての活動を開始。後に、車の塗装板など量産される工業製品の基になる色を作る調色の仕事に4年間携わり、学んだ調色の技術を生かせる活動をしたいと魔神を描き始めたという。

 「人間がそれぞれの場所で生き抜くためのエネルギーをアートで表現したいと思っていた時、『神』というキーワードが思い浮かんだ。時に人を助け、時に人を裏切る、弱い部分ももつ『魔神(魔人)』は、より人間に近いのではと妙に親近感を感じた」と長田さん。

 同ギャラリーでも床から天井までキャンパスを設けているが、大阪府の木津川の壁面16メートルに渡るウォールペインティングを施した「大阪水魔神」(8月)、天地1メートル・幅8メートルの半円形の壁面に描いた「吉祥寺魔神」(9月)など、大規模な作品を制作するのが特徴で、「大きな作品は正面・右・左と見る位置によって印象が異なる。見る人が絵の中に入り込んだような面白さを体感してほしい」と長田さん。「会期中に制作現場にいるのはいろいろな人と話ができるから。普段あまりアートになじみのない方に興味を持ってもらうきっかけにしたい」とも。

 営業時間は11時~19時。入場無料。今月16日まで。

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