女性現代作家2人がコラボ展-水墨画と金属造形、異なる手法で一つの風景

手前の立体作品 留守玲「水蜜桃こむらがえり」2005年 個人蔵、奥の平面作品 田中みぎわ「優しい雨」2007年 個人蔵

手前の立体作品 留守玲「水蜜桃こむらがえり」2005年 個人蔵、奥の平面作品 田中みぎわ「優しい雨」2007年 個人蔵

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 茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北1、TEL 0467-88-1177)で現在、「PIANISSIMO 田中みぎわ/留守玲 展 -冬の浜辺から-」が開催されている。

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 新作を含む同展は、異なる手法をもつ2人の新進現代作家、田中みぎわさんと留守玲(るすあき)さんによるコラボレーション展。同館館長の小川稔さんは「地域を越えて多くの人々に向けた清新なメッセージを発信し続けたいと企画した」という。

 茅ヶ崎市在住の田中さんは1974(昭和49)年東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科で日本画を専攻。在学中に水墨画を描き始め、自然をモチーフにした新しい感覚の水墨画を制作するアーチストとして知られる。その作品は「気象と直観的な心象が溶け合い、無限の宇宙へのつながりを予感させる」(同館広報)といい、同展では「天の息吹」「春の森」「心の帆」などの新作に加えて「優しい雨」(2007年)、「神様の手のひら」(2008年)などを展示。

 1976(昭和51)年宮城県生まれの留守さんは小田原市在住。多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。鉄を素材として溶接、溶断、鍛金の手法により日常的な器や装身具、巨大オブジェなどを制作。「複雑に入り組んだ金属の魂は力強く、鑑賞者の心に落ちていく不思議な力を秘めた作品に特徴がある」といい、同展では新作「路刈」「Bud」「冬芽」「山桜」「道草」などのほか、「うつそみへ、探勝を凝らす。」(2004年)、「森-下向きに生える100の麟角」(2006年)などを展示する。

 「同世代の若く鋭い感性をもった2人の作品が共鳴し合い、一つの風景を創り出した。そこから生み出された大きなエネルギーを感じてもらえれば」と小川さん。鑑賞者からは「静謐(せいひつ)な感じがとても良かった」「(田中さんの作品を見て)白黒だけの世界からさまざまな気持ちを感じることができた」などの感想が寄せられているという。

 1月24日は作家によるギャラリートークを開く。田中さん=13時~、留守さん=15時~。参加無料(同展の観覧券が必要)。申し込み不要。31日は田中さん、留守さんの作品に親しむお茶会(一席500円)、2月7日には留守さんの仕事場を訪ねる催し(参加費600円)も予定。共に申し込み制・先着順。

 開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。観覧料は、一般=500円、大学生=300円、高校生以下無料。2月14日まで。

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