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辻堂の一級建築士事務所が建築支援ロボット開発 現場監督不足の解消に一助

ログビルドのメンバーと、開発した現場監理ロボット。左が中堀健一社長、後列中央が高橋秋博さん、右が國吉慶太さん、前列左が開沼諒さん、右が保山健輔さん。

ログビルドのメンバーと、開発した現場監理ロボット。左が中堀健一社長、後列中央が高橋秋博さん、右が國吉慶太さん、前列左が開沼諒さん、右が保山健輔さん。

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 藤沢市辻堂の1級建築士事務所エコモ(藤沢市城南4、TEL 0120-757-355)が新会社log build(ログビルド)を設立し、建築の現場監督が遠隔で施工監理ができる現場監理ロボットを開発した。

辻堂の一級建築士事務所「エコモ」が開発した建築支援ロボット

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 開発したロボットは110センチほどの高さで、アップル社のiPad(アイパッド)を接続。大小3つの車輪が付いていて、リモートコントロールで建築現場を動き回ることができるという。

 中堀健一社長は「建築の専門家として現場に立つ中で、監督が現場に行く移動時間に課題を感じていた」と話す。3年前に構想が生まれ、ロボット開発会社に相談を持ち掛けたが、出てきた試算は「目が飛び出るようなものだった」と話す。それであれば自社開発しようと、2018(平成30)年にエコモ社内にロボット事業部を立ち上げたという。

 中堀さんは「現場監督は1人で3~4現場を掛け持って施工監理をしているが、その移動時間に大きな課題があった。移動しないで遠隔で監理できれば生産性が向上し、残業しないで帰れるようになる。これこそが建築現場の働き方改革だと思った」と力を込める。

 開発メンバーにはソニーで犬型ロボット「aibo(アイボ)」の開発に携わった森貞英彦さんをCTO(最高技術責任者)に迎え、試作を重ねた。PCやスマートフォン、iPadなどで気軽に現場状況をリアルタイムで確認し、現場を自由に動き回り、タブレット上で細かい指示などを示せるのが特徴。

 中堀さんは「今後、高齢化で現場監督も不足していく未来が近い。生産性を上げていかないと、という危機感があった。現在の初号機はオンライン技術の中でもアバターと呼ばれるものだが、いずれはAI(人工知能)で進捗(しんちょく)管理をしていくことを目指す」と話す。

 新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインで日本中の工務店に商品を提案する方法で営業している。今年11月から順次納品される予定という。

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