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新江ノ島水族館でサカナヤドリヒドラ属の一種のポリプから遊離したクラゲを日本初展示 

カゴカキダイの幼魚に付着したサカナヤドリヒドラ属の一種のポリプから遊離したクラゲ

カゴカキダイの幼魚に付着したサカナヤドリヒドラ属の一種のポリプから遊離したクラゲ

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 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2、TEL 0466-29-9960)で現在、魚類に寄生する「サカナヤドリヒドラ属」のクラゲを展示している。

カゴカキダイの幼魚に付着したサカナヤドリヒドラ属(ポリプ)の一種

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 同館によると、同クラゲの大きさは最大傘径で約4ミリ。サカナヤドリヒドラ属のクラゲは日本初展示になるという。

 サカナヤドリヒドラは魚類の体表に付着するヒドロ虫に分類されるクラゲの仲間で、これまで世界で6種が発見されている。日本では 1941(昭和16)年に和歌山県で発見され新種として記録された1種のみが知られているという。

 同館クラゲ担当者の山本岳さんは「サカナヤドリヒドラは日本で1941年に発見されて以降、日本での生活史の情報がほとんどなかった。 今回採集したポリプがクラゲになる前の固着体がどの種に当たるのか現時点で分からないが、サカナヤドリヒドラ属の生殖体(クラゲ)が日本で確認されることは初めてで、世界的にも貴重な展示」と話す。「ヒドロ虫が寄生していたのは、駿河湾と相模湾で採集された5匹のボラとカゴカキダイの幼魚。一見すると病魚にも見えるが、ヒドロ虫類のポリプではないかと気付き、幼魚の飼育・観察を続け今回の発見に至った」とも。

 山本さんは「『クラゲ』と『魚』の目線があった水族館だからこそ見つけられた発見。今回展示したのは駿河湾産のカゴカキダイに寄生したポリプから遊離したクラゲ。引き続きポリプとクラゲの飼育・観察を続けながら成長を記録し、ヒドロ虫類の専門家とともに研究を進めていきたい」と意欲を見せる。

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