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鵠沼で草間彌生さん版画展-震災1年、「見る人を元気づけたい」と開く

「金魚」1990年 シルクスクリーン

「金魚」1990年 シルクスクリーン

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 藤沢・鵠沼海岸駅近くの「湘南西脇画廊」(藤沢市鵠沼松が岡4)で3月3日、「草間彌生  版画展」が始まった。版画作品は1999年に制作を終了しているため、貴重な機会となる。

かつての草間彌生さんと西脇さん夫妻(関連画像)

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 文化功労者で前衛美術家の草間さんは1929(昭和4)年、長野県松本市生まれ。10歳ごろから水玉と網模様をモチーフにした絵を描き始め、1957(昭和32)年に渡米。環境彫刻の先駆け的な作品を制作し、ボディーペインティングや反戦運動の挑戦的なパフォーマンスなどで高い評価を得た。1975(昭和50)年に帰国後は、美術作品の制作の傍ら小説や詩集も多数発表している。

 今回は、「夏の花」(1990年、シルクスクリーン)、「かぼちゃ」(1995年、銅版画)、「金魚」(1990年、シルクスクリーン)、「FLOWERS」(1929年、シルクスクリーン)などの作品30点余りに加え、「ぶどう」(1981年15号、アクリル)を特別展示する。同画廊は展示作品以外にも10点以上の作品を保有しており、希望すれば見せてもらうこともできる。

 「『今一番見る人の心を明るく元気にしてくれる作家は草間さんしかいない』との思いで、東日本大震災から1年の今開催するために準備を重ねてきた」と同画廊社長の西脇成治(しげはる)さん。草間さん帰国直後から親交が深い西脇さん夫妻。「一見すると華々しい経歴だが、草間さんが本当にブレークしたのは60代になってから。栄養失調で車いすの生活を余儀なくされながら、衰えない制作意欲に支えられるうちに立って歩けるようにまでなった。80歳を過ぎてなおエネルギッシュな彼女が『再生』そのもの」。

 作品は全て販売も行う。「絵を選ぶことは自分との対話。自分で頑張って働いたお金で絵を買うことで、自身の励みになったり目標になったりする。絵は心の財産」とも。

 営業時間は10時~17時30分。木曜定休。4月8日まで。

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