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福島の被災アザラシ、新江ノ島水族館に避難-食欲戻りサインにも応じる

福島いわき市で被災したゴマアザラシ「ユキナ」。元気に食事をし、飼育係のサインにも応じる

福島いわき市で被災したゴマアザラシ「ユキナ」。元気に食事をし、飼育係のサインにも応じる

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 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2、TEL 0466-29-9960)が、東日本大震災で被災した福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」にいた雄のゴマアザラシ「ユキナ」を引き受け、飼育している。

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 アクアマリンふくしまは津波で1階が水没。電気系統が被害を受けて水質維持などが難しい状態となり、海獣類は全国の水族館や動物園に避難させている。

 ゴマアザラシは当初、2頭を鴨川シーワールドに避難させる予定だったが、搬入後に雌に出産の兆候が表れたため、雄のユキナのみを新江ノ島水族館で引き受けることになった。「アザラシのオスは子育てに参加せず、メスの子育てが終わると交尾しようとするため、出産のときには雄と雌を離すのが一般的」(同館展示飼育部・奥山さん)だという。

 ユキナは14歳。標準体形で特に目立った痩せもなく、健康状態は良好だという。入館当初はおびえた様子でしばらく食事を取らなかったが、「現在は落ち着きを見せ、担当者のところまで寄ってきて手から魚を食べている」と奥山さん。「福島ではアジやホッケを日量3キロほど食べていたが、今はサバやサンマを毎日3キロ食べる。体に触ることもできるほか、簡単なサインにも応じている」とも。

 現在は来館者には見えない所で静養中。アクアマリンふくしまの受け入れ準備が整ったところで戻す予定だ。

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