藤沢に拠点を置くベンチャー企業「オケアノース」(藤沢市川名1)が7月9日、流木を配合したバイオマスプラスチック製サングラス「Drift.(ドリフト)」の販売を自社オンラインストアで始めた。
環境省の調査によると、海岸漂着物の回収量は全国で約3万5000トン、自治体による対策事業費は合計約56億4,000万円に上るという(2003年度)。中でも大型流木は人力での撤去が難しく、神奈川県によると、大量に漂流する流木などが船舶にぶつかる被害も生じているという。
同社はこの未利用資源である流木に着目し、流木とバイオマスプラスチックを混練した独自素材「ArgoDryas(アルゴドライアス)」を放電精密加工研究所(横浜市港北区)と共同開発し、サングラスのフレームに採用した。
開発には、原料となる流木調達に関わる関係機関との調整を神奈川県が支援。同県がベンチャー企業と社会課題の解決に取り組む連携事業「エール『ガバメント×ベンチャー』アライアンスかながわ(YAK)」の採択プロジェクトとして進められた。YAKの採択案件が商品化に至ったのは今回が初めてだという。
第1弾商品の「Drift.(ドリフト)」は4色の偏光・調光レンズと3色のフレームで展開。フレームには固有のシリアルナンバーを刻印する。価格は2万6,400円からで、初回は1000本限定。8月中旬から順次発送する。
オケアノースは2023年設立。元日本代表ライフセーバーとサーファーが共同で創業し、海洋プラスチックごみをアップサイクルしたサンダルの製造販売実績も持つ。
今回の取り組みについて同社の廣田諒社長は「日常と海との境界線をなくし、「『美しい海を次世代に残したい』というシンプルな思いから、このサングラスが生まれた。手に取った人が、ふと海に思いをはせる、その一瞬の心の動きが、やがて美しい海を後世につなげる大きなうねりになると信じている」と話す。