「建築家 坂倉準三展」-自ら設計の近代美術館・鎌倉館で開催

坂倉準三氏(写真=左)-来日したル・コルビュジエ氏とともに桂離宮で(1955年)(写真提供=坂倉建築研究所)

坂倉準三氏(写真=左)-来日したル・コルビュジエ氏とともに桂離宮で(1955年)(写真提供=坂倉建築研究所)

  • 0

  •  

 神奈川県立近代美術館・鎌倉館(鎌倉市雪ノ下2、TEL 0467-22-5000)で現在、「建築家 坂倉準三展」が開催されている。日本現代建築・デザインに貢献した坂倉準三氏の没後40年を迎える今年、同氏の代表作である同館を会場に、その生涯にわたる仕事を回顧するもの。

[広告]

 坂倉氏は1901(明治34)年、岐阜県生まれ。東京帝国大学(現・東京大学)で美学・美術史を専攻・卒業後、1929(昭和4)年に渡仏し、20世紀建築の巨匠と言われるル・コルビュジエ氏の建築事務所で直接教えを受けた。手がけた主な建築は、デビュー作品となった1937(昭和12)年のパリ万国博覧会日本館をはじめ、岡本太郎邸(現在「岡本太郎記念館」として公開)や、渋谷駅(1954年)、新宿西口広場(1966年)などの大都市ターミナル開発、枚方市庁舎(1964年)、神奈川県庁舎(1966年)などの公共建築など。戦後復興と高度成長の中で日本の伝統を新しい視点から作り直すことに情熱を傾けた。

 同展では、「モダニズムを生きる:人間、都市、空間」をテーマに、同氏の生涯を図面・写真・模型・資料など約200点で振り返り、その今日的意義を検証する。

 同館普及課長の太田泰人さんは「坂倉氏没後40年という節目の年でもあり、また2016年には当館の鶴岡八幡宮からの借地契約が切れることも視野に入れ企画した。12年前にも小規模な回顧展は開催したが、今回のような大規模なものは初めて」と話す。また「坂倉氏が設計したこの建物自体はもちろん、彼が残した戦後の日本の都市文化を考察する上で非常に重要な資料をぜひ見てほしい」とも。

 同展開始から3週間が経った現在までの入館者数は約2,600人。同館の広報担当の丸尾さんは「やはり『坂倉さん本人が建てた美術館での展示ということが素晴らしい』という来館者の声が多い」と話す。

 開催時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(7月20日開館、同21日休館)。観覧料金は当日一般900円ほか。毎月第1日曜日は「ファミリー・コミュニケーションの日」 とし、18歳未満または高校生以下の子ども連れの来館者家族は観覧が無料になる。9月6日まで。

  • はてなブックマークに追加

湘南経済新聞VOTE

湘南経済新聞の読者歴はどれくらいですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース