「第30回ひらつか音楽のおくりもの」が5月23日・24日の2日間、国登録有形文化財「八幡山の洋館(正式名称は「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」)」(平塚市浅間町)で開催された。当日は平塚市内外から計24組が参加し、演奏を披露した。
同イベントは2011(平成23)年から毎年2回開いており、今回で30回目を迎える。毎回24組の出場枠に対し約40組の応募があり、抽選で出演者を決めているという。
同館は、1905(明治38)年に日本海軍と英国企業3社が合弁で設立した「日本火薬製造」の、英国人支配人または技師の執務室、あるいは住居として建設されたとされる。建物は1906(明治39)年~1907(明治40)年ごろに建設されたと見られており、1911(明治44)年の火災で焼失後、再建されたともいわれる。戦後は横浜ゴムが迎賓館や応接室・会議室として使っていたが、平塚市ホームページによると2004(平成16)年に市が無償譲渡を受け、その後、八幡山公園へ移築・復元された。
副館長の鈴木美都子さんは、同館の保存活動に発足当初から関わっている。知人に誘われて見学会に参加した際に初めて見た洋館は床が抜けそうな状態で、窓ガラスに紙が貼ってあるなど傷みが激しかったという。しかし、吹き抜けの高い天井や板張りの床などから音響効果の可能性に気付き「建物の雰囲気などからサロンコンサートに適していると思った」と振り返る。その後は音楽イベントなどを中心に建物の管理運営に携わってきた。
同イベントに出演したトランペットトリオ「Breeze」の巽美佐緒(たつみ・みさお)さんも「ここは音がよく響いて、いつも気持ちよく演奏できる」と話す。
主催した同市教育委員会社会教育課文化財保護担当の吉岡太さんは「前回の第29回は315人、第28回は356人が来場した。明治時代の洋館の存在を知ってもらえる良いイベント。ちょっとのぞきに来るぐらいの気楽な気持ちで来てもらえれば」と話す。