鎌倉で創作こぎん作家が初個展-津軽の伝統工芸を現代風にアレンジ

津軽に伝わる伝統技法を現代風にアレンジした萩原さんのこぎん刺し。生地の色やモチーフは、どこか北欧のイメージが感じられる

津軽に伝わる伝統技法を現代風にアレンジした萩原さんのこぎん刺し。生地の色やモチーフは、どこか北欧のイメージが感じられる

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 鎌倉駅近くの丸七商店街にあるレンタルスペースミッキー(鎌倉市小町1)で6月5日・6日、青森に伝わるこぎん刺しをアレンジした作品を展示する「ほっこり展vol.1~手仕事のぬくもり~」が開かれる。開催するのは、創作こぎん作家のまろ(本名=萩原ひろみ)さん。

連続モチーフを施したこぎん刺しのがま口

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 こぎん刺しは、青森県津軽地方に江戸時代から伝わる刺し子の技法の一つ。「こぎん」とは、津軽で野良着のことを「小布(こぎん)」と呼んでいたことに由来するという。その起源には諸説あるが、江戸時代の倹約令により木綿の仕事着が禁止され、麻の衣服しか着ることができなくなった農民が、繊維の粗い麻布に刺しゅうを施して保温性を持たせたことが始まりとされる。

 もともとポーチやエコバッグなどの布雑貨を作り、都内の手作り市などに出品していた萩原さんがこぎん刺しに出会ったのは2年前の秋。「何気なく手にした雑誌で偶然こぎん刺しを知って衝撃を受け、それまで制作していた布小物を作るのをとめてまでのめり込んでいった」という。技法は、こぎん刺しを体験できる青森の道の駅などに足を運び「地元のおばあちゃんから手ほどき」を受けた以外は、すべて独学で身につけた。

 「smile」と「laugh」を合わせた造語「SMILAUGH」(すまいらふ)の商標名で制作される主な作品は、ヘアゴムやブローチ、ストールピンなどの小物(700円~1,500円)やがま口(1,500円~)、バッグ(4,500円)など。コラボアイテムとして、茅ヶ崎で活動するお菓子作家・さわさわさんが作る体に優しいおやつとセットにしたリネンのハーフ手ぬぐい、葉山芸術祭や鎌人市場などにも参加する草木染め作家・ucaucaさんが染めたこぎん糸で刺したエコバッグなども出展する。

 萩原さんは「古くから伝わる伝統と落ち着きある温かさの中に垣間見える新しさ、どこか北欧のような雰囲気が感じられるのもこぎん刺しの魅力。日本の手仕事の素晴らしさを感じに足を運んでもらえたらうれしい」と話す。

 開催時間は、5日=11時~18時、6日=10時~17時。

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