鎌倉・長谷寺で現在、第7回鎌倉芸術祭の参加イベントとして「東北復興支援イラスト集『マグニチュード・ゼロ』展覧会」が開かれている。

　世界中のアーティストが3.11をテーマに描いたイラストを集め、日本の復興を応援するため昨年9月に出版されたイラスト集「マグニチュード9」。その日本版「マグニチュード・ゼロ」の刊行（3月）を記念し、収録作品を展示する。

　展示内容は、フランスで発売された「マグニチュード9」掲載を含む約65点に、新たに寄せられた作品50点を加えた115点。フランスの多くの作品のほか、日本では、しりあがり寿さん、安齋肇さん、藤原カムイさん、森本晃司さんのほか、多くの漫画家、イラストレーターの作品を展示する。

　震災発生当日に日本に滞在していた親日家のフランス人漫画原作者、ジャン・ダヴィッド・モルヴァンさんが　震災に衝撃を受け、2日後にパリに帰国したことから始まる。モルヴァンさんが世界中のクリエーターに向けてイラストの募集を呼び掛けたところ、2700点もの作品が集まった。その中から約250点を厳選してフランスで出版された「マグニチュード9」は3週間で初版が売り切れ、第2版を増刷。友人で、同プロジェクトの存在を日本に知らせたいと思ったマインド・クリエーターズ代表本田恵理子さんが日本版の出版を決意。それに賛同した日本人アーティストも新たに参加し、「マグニチュード・ゼロ」が出版された。鎌倉でのイラスト展示は、フランスのランス、京都、東京に次ぐもの。

　「京都国際マンガミュージアムで外国人観光客に非常に反響があり、外国人の集まるパブリックスペースであるお寺で開けたらとお寺回りをしていたところ、知り合いを通じて長谷寺を紹介してもらった」と本田さん。「日本人のみならず、外国人観光客も多数訪れる古都鎌倉で、世界からの応援メッセージを東北に向けて発信することが復興の一助になれば」と期待を寄せる。

　拝観時間は8時～16時（17時閉山）。展覧会は無料だが入山料（300円）が必要。11月18日まで。