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鎌倉文学館で「ビブリア古書堂の事件手帖」特別展 登場する太宰治初版本展示も

1巻第4話のテーマとなっている太宰治著「晩年」の初版本(青森県近代文学館蔵)も展示される。同話には「長谷にある文学館」から「展示させて欲しいと依頼されて」(原文ママ)という一節も

1巻第4話のテーマとなっている太宰治著「晩年」の初版本(青森県近代文学館蔵)も展示される。同話には「長谷にある文学館」から「展示させて欲しいと依頼されて」(原文ママ)という一節も

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 鎌倉文学館(鎌倉市長谷1)で10月1日、三上延さん著のミステリー小説「ビブリア古書堂の事件手帖」の特別展が開かれる。

同展のフライヤー。表紙をはじめ同書のイラストを描く越島はぐさんの作品をフューチャーした

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 2011年に1巻が発売され最新刊の6巻まで累計発行部数が600万部を超えている同書。テレビドラマ化や漫画化もされ、子どもから年配者までファンの年代も幅広いという。鎌倉が舞台で著者が市内の高校を卒業している縁から、同館では過去にも講演や同書の表紙イラスト原画展などを開いてきた。

 「今回は同書に登場する出版物や作者にまつわる展示も行い、これをきかっけに文学に親しんでもらおうと企画した」と話すのは同館学芸員の山田雅子さん。「通常は鎌倉ゆかりの作家などの展示を行っているが、初めてアプローチする作品も多く全国からお借りした」という。

 中でも目玉は、青森県近代文学館所蔵の太宰治著「晩年」。1936(昭和11)年の初版本で、「ビブリア~」1巻第4話ではこの本を巡ってスリリングな物語が展開する。見返しには、文中にも登場する「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」という太宰治が書いた毛筆の文字も読める。そのほか江戸川乱歩、宮沢賢治、寺山修司など同書に登場する作家ゆかりの貴重な展示物が並ぶ。

 期間中の11月19日には鎌倉商工会議所地下ホールで、古書店で働いていた三上さんと新刊書店で働いていた大崎梢さんによる「書店ミステリー対談」をはじめ、同館講座室で文学講座「江戸川乱歩」、古典講座「『今昔物語』の世界と芥川龍之介」、資料調査講座「正岡子規 夏目漱石あて書簡」「鎌倉の歌人たち」などを開く。

 山田さんは「すでに同書を読んだ人も、まだ読んでいない人も楽しめる内容になった。同書を通してこれまで知らなかった文学作品と出合える、一粒で2度おいしい展示になっている。これを機に文学がより身近な存在になれば」と話す。

 開館時間は9時~16時30分(入館は16時まで)。休館は10月3日、11月14日、12月5日。入館料は、一般=400円、小中学生=200円。12月11日まで。

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